【海老名市綾瀬市新築コラムver.280】ついに始まった住宅値上げ|住宅業界で突然起きたウッドショックとは
海老名市や綾瀬市でもついに始まった住宅値上げ。
木材の需給がゆとりがない状態になり、木材の値段が高騰し、納期遅延が発生する「ウッドショック」減少が起こっています。
木材の需給がゆとりがない状態になったのは世界的な建築需要の高まりによって木材の価格が高騰し、日本の住宅業界は強い危機感をかかえています。海外からの木材の調達が難しい局面を強いられており、「木材を調達できない」という状況がなっています。
このような輸入木材の不足によって、日本の木材業界が抱える構造的問題があらわになりました。今回のコラムでは、ウッドショックについて解説していきます。
目次
ウッドショックとは
「ウッドショック」という言葉が、住宅業界をにぎわし、困らせています。神奈川県の木材のプレカット会社でも見積価格や納期を示せないといった状況が頻繁に起き出しています。
ウッドショックが発生した主な原因は下記の4点です。
■ アメリカでの新築住宅需要の増加や木材相場の変動
■ ヨーロッパでの木材需要の拡大
■ 中国の経済回復に伴う木材需要の増加
■ コロナウィルスによる輸送コンテナの取り扱いの減少
このような原因で日本向けの輸入木材と原木の供給量が大きく減ったことが価格高騰の大きな原因です。
ウッドショックが及ぼす影響として、木造住宅・木造建築に使う輸入木材の需給がいっぱいいっぱいになり、価格も上がるし、木材が少ないので納期も予測できず、そもそも材料が調達できるかどうかが不明な状により、海老名市や綾瀬市の住宅業界にも大きな混乱が生じています。
今回のウッドショックは、2021年3月ごろに影響が表面にあらわれ、その後は悪化の一途をたどっています。
「なぜ木材供給のゆとりがないのか」「いつまで価格高騰は続くのか」「国産材は活用できないのか」など問題が生じています。
ウッドショックによって、今後、最も困るのが、木材の仕様や工期、値上がりにともなう、注文住宅を購入し発注した施主とハウスメーカーや工務店とのトラブルです。
ウッドショックは、これまでも、この数十年の間に2回起きており、今回が3回目です。
今回のウッドショックの原因は日本?
コロナの影響にステイホームが常態化され、世界中で建築需要が高まっています。各国が金融緩和策を講じていることも背景にあるようです。
今回のウッドショックの主な原因は、下記の3点と言われています。
アメリカの木材市況の高騰
今回のウッドショックの原因には、アメリカの住宅着工件数の伸びがあります。2015年ごろから郊外の住宅の購入が増え、コロナ対策としてアメリカの政策金利を実質ゼロに誘導する施策が住宅ローン金利を引き下げたことで、住宅着工件数の増加に拍車がかかりました。
アメリカではステイホームによる在宅時間の増加で都心の集合住宅から郊外の一戸建てへと移住する人が相次ぎ、住宅市場が絶好調となっています。
こうした影響を受けて世界中でも木材価格が高騰しています。アメリカでもテレワークが浸透したことで郊外の住宅需要を刺激しました。まだまだアメリカの住宅需要の上昇は続いており、木材の需給バランスが崩れつつあります。
ヨーロッパ諸国の木材需要拡大
世界的な木造建築需要の高まりもあり、ヨーロッパでも木材需要が高まっています。ヨーロッパは木造建築の建設が増えていて、コンテナ不足に直面したヨーロッパの集成材メーカーは陸路を利用して、ヨーロッパや中東へと集成材を輸出しています。そして、コンテナ不足によってヨーロッパからの集成材も日本に入ってこないという状況が表面化しています。
中国の景気回復
アメリカ、ヨーロッパに続き、中国の木材需要も増加しています。中国の木材需要については、アメリカ以上に今後の木材市場に大きな影響を及ぼすとされています。
中国は産業用丸太の世界で1番の輸入国で、コンテナ不足の大きな要因が、いち早くコロナ禍から脱出した中国がコンテナを買い集めていることにあるとも言われています。
海外で生じたウッドショックでなぜ日本の木材業界が影響を受けるの
日本のような「輸入小国」への対応は世界は冷たいものでした。
もともと日本は木材の品質にこだわりが強く、寸法体系も複雑で輸出国にとっては面倒な取引先国だったようです。少なくなった木材の在庫を奪い合う中で「日本は買い負けてしまった」というわけです。そして今回の「次ウッドショック」が起こりました。
日本で使用する木材は、輸入木材が6割を超えています。世界中で木材が品薄の中で少しでも量を確保するためには、値上げを受け入れるしかありません。
ウッドショックの住宅業界に与える影響は大きく、住宅・建築会社は
「木材が調達できない」「工期が遅れる」「収益を圧迫する」
という悩みをかかえています。
輸入木材の調達が難しいと、住宅業界の視線は国産木材に向かいます。
しかし、日本の林業は高齢化が進行しているなどの課題を抱えており、急な増産に対応できていません。コロナ禍を克服したアメリカや中国が景気よくなりインフラ整備が増加すれば、国際的な木材価格がもっと上がる可能性もあります。
ウッドショックによる注文住宅購入者への影響
2020年の国内の新設住宅着工戸数は81.5万戸で、木造住宅は約6割を占めています。
スギやヒノキなど国産材だけで家を建てる住宅会社もありますが、特に梁は高い強度や多様な寸法が求められるため、ベイマツ材やレッドウッド集成材などの輸入材を使う場合が多いのが現状です。
詳しい話をすると「柱は国産材に変更できても、梁は難しい」とういう状態です。梁を輸入材から国産材に変えると、必要な強度を満たすために寸法が大きくなてしまい、設計や見積もりに影響がでます。
木造住宅の建設費用のうち、木材の価格は一般的に1割程度です。木材価格の上昇分を単純に計算すると、建設費用は数十万円単位でアップします。
住宅業界の担い手は幅広く、大工や職人、専門工事会社、建材・設備会社などにもウッドショックの影響があるでしょう。
「今後、どのくらい値段が上がるのか不安」
一時的ではあるものの住宅価格の高騰が避けられないのが現実。
海老名市や綾瀬市で注文住宅を購入しようと検討している人は「ウッドショック」の住宅業界への影響を考え、住宅購入のよしあしを判断することが求められます。未だ終息の目途が立たないコロナウイルス感染の状況。現在世界や日本が置かれている状況を正確に理解し、皆様のお役に立てるよう、最新の情報を発信し続けることが私たちの使命と捉え、どのような状況下でもプロフェッショナルとして、皆様の住宅購入のお役に立ちたいと考えています。
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